時代のせいにしてあきらめる前に
テレビ東京カンブリア宮殿にて【売れない時代に売る極意】の枕言葉に惹かれて鑑賞した。
テーマとなったのは飲食系とアパレル系に風穴を開けた新進気鋭の2つの企業、キッチンカービジネスの『メロウ』と、アパレルショップの“販売スタッフ向け”アプリを運営している『バニッシュ・スタンダード』。
新型コロナウイルスによって飲食店とアパレル系は店舗型は痛烈な売上不振を記録している一方、テイクアウト・オンライン販売は好調と同じ分野内でも明暗がはっきりしている所などどこか似た境遇にある。
移動販売車の手配や運営?『メロウ』
ここでまず紹介したいのがキッチンカービジネスの『メロウ』。
キッチンカーとはフードトラックといった呼び方もある移動式販売の手法で、屋台の様に車内で調理した飲食物を提供したり、お弁当等を販売し、
店舗を構えるより初期費用が3分の一程度で済んだり、人が集まる時間・場所を選んで出店する事が可能というメリットがある。
その反面、キッチンカー事業者個人にて出店場所確保を土地オーナーとの交渉したり、路上でゲリラ的に販売していたら路上駐車等の注意を受けたり移動式販売ならではの問題も少なくなかった。
そこで『メロウ』はキッチンカー手配を管理・運営するアプリを開発し、個々人で販売していた事業者を組織化する事で大規模な出店場所の確保から、マンション敷地内での販売・交渉もしやすくなる仕組みを構築した。アプリではお気に入りのキッチンカーがどこで販売しているか閲覧する事も可能な為、消費者も助かるという仕組みだ。
ここでポイントとなるのが、事業者から『メロウ』に支払われる手数料。固定賃料ではなく売上に応じた手数料15%という点だ。
このビジネスで固定賃料にしてしまうと、どうしても流行り物が残ってしまい、似通ったメニューしか残らず尻すぼみになるという。売れるかどうか未知数の物が参加する事で、『メロウ』側も事業者と二人三脚の姿勢で向き合い続ける事ができ成長する事ができる。
この経営手法で2016年に創業して以来、『メロウ』は右肩あがりで売上を伸ばしているとの事だ。
販売スタッフが主役?『バニッシュ・スタンダード』
そして次に紹介するのが『バニッシュ・スタンダード』。
アパレルショップの“販売スタッフ向け”アプリ【STAFF START】を運営していて、このアプリは店頭の販売員がコーディネートや紹介文を自社通販サイトに投稿する事で、その商品をオンラインで消費者が購入する事で、販売員へも成果報酬が支払われる仕組みを構築。可視化する事でデジタル上での接客を可能したアプリだ。
アパレルといえばモデルがいるのになぜ販売員のコーディネートに需要が?と思われるが、別世界のモデルよりも親近感が沸くだけでなく、販売のプロの視点での紹介文や着回しなどが、購買意欲に直結するとの事。
事実、【STAFF START】の売上上位の中には、ふくよかな体型の販売員や、ベテランの方も多数ランクインしているとの事。
この『バニッシュ・スタンダード』は販売スタッフを応援する事をコンセプトにしている為、販売員のシフトなどもアプリから閲覧できるようにする事で、消費者がスタッフ目当てに来店する事も可能にしている。消費者・スタッフ・店舗全てに商品を通じてやりがいと笑顔を供給したいと考えている。
『バニッシュ・スタンダード』『メロウ』には1000ブランドが導入しているが、結婚式場のプランナーやメイク師などアパレル以外の分野でも活かせるよう邁進中との事だ。
忘れてませんか?現場の楽しさ・雰囲気
以上『メロウ』と『バニッシュ・スタンダード』を紹介したが、一見無関係な2つの企業に共通しているのが、利益追求ではなく働く現場が楽しくなるような仕組み作りがコンセプトだ。
売れない時代だからこそ、人の幸福度を高める手法・仕組みに着目する事が成功の秘訣ではないだろうか。
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