ビールシェアNo.1に返り咲いた『キリン』
今回のテレビ東京カンブリア宮殿、テーマは言わずと知れた日本のビールの大手メーカー『キリン』。新型コロナで大打撃の飲食業界において好調をキープするばかりでなく、ビール業界で11年振りにアサヒビールを抜きトップに立つまでとなる。
その理由とも言えるのがライバル企業のアサヒやサッポロが業務用比率が高い中、キリンは“”家飲み需要に力を入れる。
その一つが家庭用レンタルビールサーバー『キリン ホームタップ』クリーミーな泡立ちを家庭で再現するばかりでなく、季節限定ビールも配送しビール好きの晩酌に飽きの来ない変化も提供するという。
クラフトビールとは?
そしてもう一つ、キリンはビールの楽しさを伝えるべく“クラフトビール”への参入も発表する。このクラフトビールは大手が安易に踏み込めなかった未開の市場で、コストとリスクの試算を打ち出す事が難しいと考えられていた。なぜならばクラフトビールは少量ながら苦みの少なく様々な味わいを加える事で、“コーヒー風味のビール”“ハスカップのビール”等、今までにないビールで飲みやすさが人気の次世代ビールだ。
キリンが目指すビールの楽しさとは?
しかし、社長は社員からのクラフトビールの10億円事業の提案を即決。キリンが社運を懸けるに足る理由は「ビールの楽しさ」を体現できる可能性がある為だという。キリンはクラフトビールを提供しやすくするビールサーバーを開発し、金属の大きな樽からペットボトル容器も開発した。さらに料理に合うビールではなく、ビールに合う料理を提供するレストラン運営など背水の覚悟で積極的に尽力した。キリンの本気度を示した戦略は功を奏し、結果的にコロナ禍の壊滅的飲食業界においても、賑わいを見せている。
キリンホールディングス社長・磯崎功典が描く健康企業・キリン
キリンの挑戦はビールだけに収まらず、現在健康企業としての生まれ変わりを進めている。キリンが発見した免疫細胞を活性化させる『プラズマ乳酸菌』。
このプラズマ乳酸菌を配合した『iMUSE(イミューズ)』を展開したばかりだが、磯崎社長が言うにはこのキリンの健康プロジェクトも第一弾であり、今後も数々の挑戦を準備中との事。大企業として地位を築きながらキリンはベンチャースピリッツを以って挑み続ける事が重要だという。企業としての安泰や、シェアNO.1といった数字にばかり固執する事はある種“大企業病”とも呼べる忌むべき体質で、衰退を招く要因であるという。
この言葉は企業に固執したものではなく、一個人としても常に挑戦しようとする姿勢・知識を抱き続けなければと言われた気がした。
今は言わずと知れたビールメーカーとしてのキリンだが、健康企業としてのキリンが市民権を得るのもそう遠い未来ではないのかもしれない。