いま、早稲田大学合格へ向けて頑張っている子供の勉強を見ています。
子供の勉強をじっくりと見ることはなかったので、この機会にその子の勉強方法を分析してみました。
すると、効率が悪いなぁと思うことがたくさんありました。
その一つが、演習書のチェックボックスを効果的に使うことです。
勉強の基本①:「思い出す」作業を繰り返す
演習書のチェックボックスの説明の前に、まずは勉強の基本は「思い出す」を繰り返すことです。
様々な脳科学の発展により、「覚えよう、覚えよう」と思いながら本を読んだり、その単語や情報を書きなぐったりしても、暗記の効率は良くないということがわかりました。
「一夜漬け」必勝法は? 反復テストが記憶定着に効果
引用:Nikkei Style
こちらの記事にもあるように、ひたすら読んだり、ひたすら書いたりするような勉強法よりも、小テストを繰り返すほうが暗記効率が高いという結果がでています。
この小テストを繰り返すことこそ、『答えは何だったかなぁ?』と思い出す作業に他なりません。
表にあるように、ひたすら読むような勉強法で覚えられた単語数は100語のうち92語。
ひたすら書く勉強法で覚えられた単語数は100語のうち95語。
最後、テストを繰り返すような勉強法では満点を取ったという結果が出ています。
勉強の基本②:演習書には書き込まない。ノートに書き込む。
先の説明にあったように、勉強の基本は『思い出す』作業を繰り返すことです。
そうであれば、どうやったら効率的に『思い出す』作業を繰り返せるか?を考えなければなりません。
思い出す作業を実施することに負荷がかかってしまえば、その作業を続けて、習慣化することはできません。
どうすればいいでしょうか?
見出しにもあるように、演習書に書き込まずにノートに演習をすることで、『思い出す』作業の繰り返しがやりやすくなります。
前述した子供は、指導しはじめた当初はノートを全く使わずに、数学の演習書や歴史の演習書に直接書き込んでいました。
それから、答えを見て答え合わせをしたのでしょう、赤ペンでマルバツをつけていました。
そのような演習書の使い方をするのは非常にもったいないです。
なぜなら、答えを書き込んで、赤ペンでマルバツをつけて汚してしまった演習書は、次回演習をするには非常に使いにくいです。
そのような演習書で再度演習をするには自分の書き込んだ箇所を消したり、隠したりしないといけないですし、赤ペンでマルとかバツをつけていたら、これがマルなんだ、これがバツなんだといった余計な情報も受け取ることになり、演習への集中度合いに影響します。
逆にノートに演習を書き込んでいた場合、再度演習するときには自分の答えを隠す必要もなく、最初の演習時と同じ感じで演習に即座に集中できることになります。
演習書には書き込まず、ノートに演習をするようにしてください。
ノートへの書き方(数学、理科、社会、英語などの横書きの科目)
また、ノートへの演習のやりかたがまずい子供も多いと感じたので、おすすめの書き方を紹介します。
まず、ノートは真中で縦線を入れて、左側のみに演習をすることをおすすめしています。
右側は答え合わせの時の正しい答えを書き込むところ、復習の時の『気づき』の追加に利用するためにあけておいてください。
このノートの取り方を指導しても、「ノートがもったいない」といって右側にまでぎっしりと何かを書き込む子供がいますが、ノートは頭の中を整理するために使うものであるので、右側までぎっしり書いて見にくくなって煩雑になったノートは、頭の中の整理という目的を達成しにくいと思っています。
また、右側までぎっしり書いて、頭の中の整理ができなかったりすると、その問題への理解が遅くなったり、その問題をまた間違えてしまうといったケースが多くなり、よりノートを無駄にしたり、より時間を無駄にするといったもったいないことになりかねません。
もったいないと感じるかもしれませんが、余白を大きくとり、『これが頭の中を整理するための最も効率的な方法なんだ』と意識し、少ないノートの枚数、少ない時間でこの問題や単元の重要事項を理解するようにしましょう。
それから、振り返りや解き直しをしやすくするために、ノートに演習するときには日付、参考書・問題集の名前、問題番号などの周辺の情報を正しく記載しましょう。
振り返りや解き直しをやりやすくすることが、勉強の効率化に役に立ち、ひいては短時間での成績上昇へと繋がります。
ノートへの書き方(国語などの縦書きの科目)
国語の場合は、まずノートを横に置き、罫線が縦になるようにしましょう。
それから、上下に分かれるように横に一本分割線を入れましょう。分割線は上下を完璧な二等分にする必要はないです。適宜調整して分割するように線を入れましょう。
あとは、先程のノートの取り方と同じように、日付、参考書・問題集の名前、問題番号をしっかりと記載し、丸付けや復習、振り返りがしやすいように準備しましょう。
問題演習は上側のみにやり、下側は正しい答えを書き込んだり、復習時の『気づき』の書き込みのために取っておきましょう。
勉強の基本③:復習時、正解した問題には時間をかけず、間違えた問題に時間をかける
ノートに演習をするようになったら、演習書に直接書き込んでいた時よりも格別に『思い出す』作業(問題演習)を繰り返しやすくなっていると思います。
後は、『思い出す』作業(問題演習)を繰り返すだけなのですが、ポイントは前回正解した問題にはそんなに時間をかける必要はなく、間違えた問題の復習に時間をかけるようにしましょう。
これまで、『思い出す』作業を繰り返すことを推奨してきましたが、時間効率のことを考えると、前回正解した問題への復習はそんなに必要はないです。
なぜなら、一度正解した問題は、次に同じ問題を解く時も正解する可能性が高いからです。
一度正解した問題に時間をかけるよりも、間違えた問題へ時間をかけましょう。
間違えた問題には、間違えた原因があります。
知識が足りなかったのか、根本的に誤解していたのか、または時間がなかったのか。
このような間違えた原因を分析し、次に正解するためにどうすればよいのかといった対策を考えることが復習であり、問題演習と答え合わせの後に、直ちに、そして必ずやらなければいけないことです。
間違えた問題の復習(間違えた原因の分析と、次に正解するためにどうすればよいか対策を考えること)をしっかりやることが習慣化すれば、成績は必ず上がります。
勉強の基本④:間違った問題のチェックボックスにチェックを入れる
間違えた問題の復習が大切だということを理解した上で、次にやることは間違った問題のチェックボックスにチェックを入れておくことです。
皆様は演習書のチェックボックスを意識したことはありますか?
あのチェックボックスは、使い方を覚えると非常に復習がやりやすくなります。
チェックボックスの使い方にはいくつか方法があるのですが、私は間違った問題だけにチェックをする方法をおすすめしています。
以下の画像のように、答え合わせをした後には問題番号の前に用意されているチェックボックスにチェックを入れるようにしておきましょう。
正解した問題には何も記載する必要はないです。
先程も説明したように、復習の時間をかけるべきなのは、正解した問題ではなく間違った問題なので、間違った問題だけわかればいいからです。
このように間違った問題にチェックを入れておくと、再度演習する時、このチェックが入った問題だけやればいいので、非常にシンプルです。
ただ、「一度正解した問題だとしても、その正解を忘れたらどうするんですか?」と不安に思う人もいるかも知れませんが、正解した問題を解くタイミングは、重要な試験の前に一回すればいいです。重要な試験の前に、全ての範囲の問題を解き直しして、その時に間違えたら、そこで再度復習をすればいいだけです。
日々の『思い出す』作業を繰り返すことを効率化させるためにも、まずは『間違った問題だけにチェックを入れて、それらを解き直す』ということを実行してください。
勉強の基本⑤:解き直し後、また間違った問題にはチェックを追加する。
解き直し後、また間違った問題には、『再度間違えた』ということがわかるようにチェックを追加してください。
このチェックが追加された問題は、複数間違えた、自分にとっての弱点の問題の可能性があるので、しっかりと解答解説を読んで理解しましょう。
逆に、解き直し後、正解したらチェックボックスにマルをつけて、自分は一度正解したということがわかるようにしておきましょう。
勉強の基本⑥:正解するまで解き直しを繰り返す
間違った問題は、正解するまで解き直しをしましょう。
問題の前のチェックボックスに、チェックがついていて、まだマルがついていない問題が間違った問題のはずです。
チェックがついているを何度も解き直し、つまり『思い出す』ことによって理解が深まり、記憶が定着します。
解き直しをしても何度も間違える問題は、以下のように間違えた回数がわかるようなチェックがいいと思っています。
解き直しをして正解した問題のチェックボックスにはマルを追加してください。
すべての問題が正解できるようになるまで、つまり一度間違えてチェックをつけた問題に対して、すべてマル印が追加されるようになるまで、繰り返し解き直しをしましょう。
チェックがどんどん追加される問題が、自分の弱点です。考え方や解き方が理解できていない可能性が高いので、参考書をよく読んだり、先生に質問をするなどの対策をしましょう。
解き直しをする時間はどんどん短くなります。
何度も解き直しをすると聞いて、ものすごく時間がかかるのではないか?と思う人もいますが、解き直しをするたびに問題数が減っていくので、勉強時間はどんどん短くなります。
例えば、30問の演習をし、そこで間違えた問題が10問あったとします。その10問に対して、解答解説をよく読んで理解をした後、10問に対してのみ解き直しをするだけなので、時間は全然かかりません。その解き直しによって、また2問間違えたとしても、次の解き直しはたったの2問だけに対して行えばいいので、解き直しはあっという間に終わるでしょう。
勉強法の基本のまとめ
・『思い出す』作業を繰り返すこと
・演習においては、間違った問題を、正解するまで解き直す
・間違った問題のみ、効率的に解き直しができるように、ノートに演習し、チェックボックスを有効活用する。